幽霊船

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『幽霊船』(大藤信郎、1956、日本)

監督:大藤信郎

受賞歴:ベネチア映画祭特別賞

大藤信郎像の<明>と<暗>−短い評伝− (大久保 正 社団法人 映像文化製作者連盟 事務局長)http://www.eibunren.or.jp/information/ohfuji-hyoden.html


Wiki ショートレビュー:
色の美しさ、ちょっとした動きの端正さ、音楽の美しさ、めくるめく展開でどこまでも意表をつく構成の素晴らしさ、最後まで息をつくひまがない。日本的な美意識に根ざしながらも、単なるエキゾティシズムなどで終わらず、非常に高いところまで昇華させているという点も含めて、やはりアニメーション史に残る偉業なのだと思われた。(2009/04/16/広安)

日本における自主制作作家の草分け的存在、大藤信郎後期の傑作。海賊船に襲われた貴族の船が幽霊船となって海賊に復讐するという昔話風の物語が、カラーセロファン切り絵を用いた影絵アニメーションで鮮やかに描かれる。技術的にも美術的にも一級品と呼ぶにふさわしく、黒と色彩のコントラストが織りなす幻想的な美しさに思わず目を奪われる。と同時に、スピード感あふれるアクションシーンの的確な演出が冴え渡る。強靭なショットのリズムに支えられているからこそ、本来平面的な影絵がまるで命を吹き込まれたように生き生きと輝きだす。そこにアニメーションの本質を見る思いがした。『くじら』と並んで海外での評価も高く、大藤のひとつの到達点と言えるのではないだろうか。(2009/04/14/路川)

  • 最終更新:2010-03-04 00:21:11

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