死後の世界

『死後の世界』(イシュ・パテル、1978、7分、カナダ)

原題:Afterlife

監督:Ishu Patel
音楽:Herbie Mann

DVD情報:「NFB傑作選 イシュ・パテル+キャロライン・リーフ+ジャック・ドゥルーアン作品集」収録(Amazon


Wiki ショートレビュー:
人間が死を迎えた後の世界を描いた作品。魂が肉体から解き放たれ、生前に縛られていた観念なども徐々に意味や形を失ってゆく。逆に時折、生きてきた世界の重さのようなものにも回想のごとく触れながら、あるところへと導かれてゆく様が描かれている。人のようであり、動物のようでもあり、はたまた自然物の一部のようにメタモルフォーゼしていくイメージの数々は、常に見るものの予測を裏切りながら、我々の知らないどこかへとすり抜けてゆく。それらは全てが個として存在しているようにも見えるし、ひとつにつながっているようにも感じられる。冒頭の引用句を踏まえて考えてみても、この作品は「死」とは恐怖するものではないということを、ものすごく高い視点から語りかけようとしているように思われてならない。ハービー・マンの冴え渡った音色が、映像に、さらなる自由さと重さと広がりを与えている。(2010/03/03 広安)

  • 最終更新:2010-03-09 00:42:00

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