ザムザ氏の変身

『ザムザ氏の変身』(キャロライン・リーフ、1977、9分42秒、カナダ)

原題:The Metamorphosis of Mr. Samsa
その他の邦題:変身

製作:NFB
原作:フランツ・カフカ
監督:キャロライン・リーフ


DVD情報:「NFB傑作選 イシュ・パテル+キャロライン・リーフ+ジャック・ドゥルーアン作品集」(Amazon)収録


Wiki ショートレビュー:
砂絵アニメーションの流れるような動きが、タイトルの「メタモルフォーゼ(変身)」という言葉を際立たせている。丸みのある絵柄、どこか温かさを持った音響は、見る者に不思議な安堵感ような印象を与えるが、重いテーマが鋭く描かれている。劇中、主人公グレゴールの妹がバイオリンで弾く「エリーゼのために」は、この作品の特に興味深い部分なのではないだろうか。なぜなら、この有名なフレーズを、どころどころ間違った音で、執拗なまでに繰り返し弾くというこのシーンは、社会の中で「人」の姿をして生きる我々の日常が、いかに無神経で無頓着な生き方であろうとも、ほとんどのことが許されてしまっている、ということを象徴しているかのように思えるからだ。それと対比して、いかに人間的な心を持とうとも、異質な存在へと変化してしまったグレゴールの乗り越えられない悲劇というものが、一層強く浮かび上がってくるかのようだ。(2009/05/20/広安)

  • 最終更新:2009-05-21 08:59:43

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