プリーズ・セイ・サムシング

『プリーズ・セイ・サムシング』 (デイヴィッド・オライリー、2009、10分、アイルランド/ドイツ)

英題:Please Say Something

監督:David Oreilly


Wiki ショートレビュー:
ポリゴンで描かれたプラスチック素材のような質感の3DCGで構成されたこの作品は、むしろ今日の高精細CG作品の多くよりも、しっとりとした情感に包まれているように感じられた。また、恐らくそれと同じような理由によって、この作品のネコとネズミのカップルの物語には、いつの世にも存在する、思いを寄せ合うものどうしに起こるすれ違いの切なさのようなものが、ある種、純度を高められた状態で、清潔感と繊細さを持って描かれているように思われた。造形や色彩、エフェクトから電子音のひとつに至るまで、徹底した美学と驚くほどの映像的語彙を用いて構成された魅力的な世界と、見る者の予想を気持ちよく裏切りながら流れるように展開してゆく映像は、緻密かつ大胆にアレンジされたオーケストラのスコア譜を見ているかのように感じられた。(2010/10/04 廣安 正隆)

この作品においては3DCGが粘土や紙と同じ「現実の素材」として扱われている所が、新鮮さに繋がっているのではないだろうか。(2010/10/26 海津研)


  • 最終更新:2010-10-26 22:46:11

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード