RGBXYZ

『RGBXYZ』 (デイヴィッド・オライリー、2008、12分、アイルランド)

監督:David Oreilly


Wiki ショートレビュー:
高精細なCG映像にすっかり慣れきってしまった今の時代、この作品のプリミティブなコンピュータ・グラフィックスを見ることは、両手足を縛られたぐらいのもどかしさをもって、鑑賞者から感覚の自由を奪い去ってしまう。人間味や現実感を徹底的に排除し、全く隙が感じられないほどの緻密さをもってLow Bit Rate的な造形や色彩で描き出された世界と、ビデオゲーム等において典型的過ぎるくらいのヒロイックファンタジー的スト−リーの醸し出す整合性と矛盾は、そこに様々な問いかけが存在することを感じさせながら、ついには不思議な感動を味わわせてしまう。4:3比率のフレームで区切られているであろう画面中央の端の部分を、そのまま両脇に引き伸ばして広がる映像も、実はそこには誰にも気づかれることなく眠っていた美を掘り起こしたという側面と、やや皮肉のまじりのユーモアとともに、過去20年あるいは30年間の映像/映像技術の歴史を問いただすかのような問題提起的側面が含まれているのではないだろうか。(10/01/2010 廣安 正隆)

  • 最終更新:2010-10-04 00:11:23

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